コ本やについて

コ本や honkbooks とは

コ本や honkbooksは、青柳菜摘/だつお(アーティスト)、清水玄(ブックディレクター)、和田信太郎(メディアディレクター)の3人が主宰するプラクティショナー・コレクティヴとして、2016年より活動しています。3人ともに東京藝術大学大学院映像研究科出身。アートプロジェクトや展覧会の企画、映像や書籍の制作を手がけています。表現する場の独特な「緊張」と、何かが起きそうな「期待」、この2つが身近にあることの意味を本屋に見出し、活動拠点を本屋として運営しています。

最近の活動としては、展覧会シリーズ「残存のインタラクション」企画、「尺度の詩学」企画(Kanzan Gallery, 2017-18)、KAAT × 高山明/Port B「ワーグナー・プロジェクト」のメディアディレクション(神奈川芸術劇場KAAT, 2017)、「新しい洞窟-もうひとつの岐阜おおがきビエンナーレ2017」ディレクション(2017)、「エディション・ノルトと仲間たち」出展(2018)などがあります。
また「thoasa」という名で、書籍出版や映像制作にも取り組んでいます。

これまでの活動

東京・王子でのオープン当初は、古本と、わずかなアーティスト関連の商品を取り扱う小さな書店でしたが、アートの分野で活動するアーティスト・コレクティヴのオル太(http://www.olta.jp)との共同企画で、一冊の本を朗読をしながら絵を描く「ドローイング大会(現:Daily Drawing, Daily Pages)」というワークショップを開発しました。そこからを皮切りに、さまざまなアーティストや専門家、研究者との協働によって、イベント、ワークショップ、展覧会を数々の企画を開催してきました。

コ本やは、都心近くの東京のローカルな場所で本屋としての顔を持つことによって、芸術やアーティストに関心がある人に限らず、それまで通勤や通学で通り過ぎていた人たちや、近くに住む人たちが、気軽に入って来られる場にもなり、展覧会やイベントなどに興味がなかった人たちを、足しげく通う人がいるほどに徐々に巻き込んでいくことが出来ました。

コ本やが企画する展覧会やイベントは、ゲストとの企画の立案には、時間をかけてでも自分たちでどう評価していいか分からない「新しさ」を目指しています。それらはプロデュースの関わりもあれば、コラボレーションの組み方もありますが、コ本やでの発表や成果が、他からの活動へのオファーにつながったり、受賞といったような評価も時にあり、コ本やで手に取った一冊の「本」から、作品が着想されたり、リサーチに駆動がかかったという声もあり、コ本やの3年が多くのところで波及する様子がみられるようにもなって来ています。

移転に向けて、王子の店舗を2019年1月28日に閉店してからは、都内最大級のホステルUNPLAN Shinjukuでの常設のアートワークをプロデュースしたり、グラフィックデザイナーの秋山伸さんが率いるedition. nordが企画する「エディション・ノルトと仲間たち」や「TOKYO ART BOOK FAIR 2019」への参加、東京藝術大学附属図書館での「GEIDAI Biblioscape 2019」の共同企画など、外部での活動を続けながら、池袋でのリニューアルオープンの準備を進めて来ました。

これまでに手がけた【展覧会】
これまでに手がけた【イベント】
これまでに手がけた【アートプロジェクト】

メンバーについて

(左から、和田信太郎、青柳菜摘、清水玄) photo by 飯岡幸子

青柳菜摘 / Aoyagi Natsumi
1990年東京都生まれ。アーティスト。ある虫や身近な人、植物、景観に至るまであらゆるものの成長過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である自身の見ているものがそのまま表れているように経験させる手段と、観者がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。2014年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の活動に「彼女の権利——フランケンシュタインによるトルコ人、あるいは現代のプロメテウス」 (NTTインターコミュニケーション・センター [ICC], 2019)、「冨士日記」(NADiff Gallery, 2016)、「孵化日記 2014-2015」(第10回 恵比寿映像祭, 2018)など。また書籍に『孵化日記2011年5月』(thoasa publishing, 2016)、小説『黒い土の時間』(2017)がある。「だつお」というアーティスト名でも活動。http://datsuo.com

清水 玄 / Shimizu Gen
1984年東京都生まれ。ブックディレクター。2015年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。修了後、アート・インストールの事務所でのアルバイトを経て、2016年にコ本や立ち上げにあたり古物商の免許を取得する。コ本やでは、神保町老舗古書店での勤務経験を生かして仕入セクションを担当。映像・写真の撮影ディレクターも務める。展覧会エンジニアとしては「孵化日記 タイワン-青柳菜摘個展」(Kanzan Gallery, 2016)、「旗、越境者と無法地帯」(トーキョーワンダーサイト本郷, 2016)、Kanzan Galleryでの展覧会シリーズ「残存のインタラクション」(全3回)・「尺度の詩学」(全3回)、「写真の壁:Photography Wall-原田裕規個展」(原爆の図 丸木美術館, 2019)などを手がける。

和田信太郎 / Wada Shintaro
1984年宮城県生まれ。メディアディレクター、東京藝術大学大学院映像研究科助教。東京藝術大学が主催するノンディグリープログラムの「RAM Association」のディレクターを務め、コ本や honkbooks(thoasa, inc)では、展覧会企画、映像制作、書籍出版を担当している。芸術表現の在り方をめぐって実践的なプロジェクトを通して取り組み、アートプロジェクトの企画、教育プログラムの開発、映像メディアの制作を手がけている。主な仕事として、「磯崎新 12×5=60」ドキュメント撮影(ワタリウム美術館, 2014)、「藤木淳 PrimitiveOrder」企画構成(第8回恵比寿映像祭, 2016)、展覧会シリーズ「残存のインタラクション」企画、「尺度の詩学」企画(Kanzan Gallery, 2017-18)、「ワーグナー・プロジェクト」メディアディレクター(神奈川芸術劇場KAAT, 2017)がある。

コ本やのメンバーには、玉木晶子、小光、杉山雄哉、林香苗武も関わっています。

新しいコ本やについて